「自分らしさ」という曖昧なもの。
最近、いろいろなところで「自分らしさ」とか「わたしらしさ」とかという言葉をよく目にします。これにバリエーションがついて、「自分らしく生きる」とか「わたしらしく生きる」という言い方もメディアなどでされているようです。
かくいう私も、仕事でこの言葉にかかわっているのですが、この言葉にある曖昧さや、安易な使われ方のせいか、この言葉がとても人の心に響きやすい一方で、簡単には騙されまいとする気持ちが一瞬、浮かぶこともあるのではないかと思って、もどかしさを感じることがあります。
「とよのわたし研究室」第3期がはじまる!
現在、豊能町で女性活躍推進プロジェクトとして行われている「とよのわたし研究室」という人材育成事業は、今年で3年目となり、現在第3期生を募集しています。この事業では、「自分らしく生きる」ということをプログラムに取り入れているのですが、こうした言葉をどのように多くの人に伝えるかはとても大切な要素です。
若い頃には、圧倒的な経験不足から自分自身のことがわからないことが多いでしょう。自分が何者であるかを知ろうとしても、それは容易に見つけられるようなものではないでしょう。
そういう意味で、本来、「自分らしさ」などというものはない、いくら自分の内側を掘り下げていってもそんなものは見つかるものではない。それはとどのつまり、社会とつながり、他者と関わりながら、年月を重ねて生きていったその先にようやく身についてくるものの中に醸成されてくるものが、「自分らしさ」なのかもしれないという気がしてきます。
一方で、子育ての経験から、乳幼児期から長じてもなお、抜きがたい個性が人には存在していることも感じながら。
「わたし」をデザインしなおすこと
「とよのわたし研究室」で目指している「自分らしく生きる」というのはどういうことかと言うと、要するにそれは、「わたし」をデザインしなおすこと、なのだと思えてなりません。
進学・就職・昇進・結婚・子育て・介護・退職、そしてそれら様々な転機に、新しく人生を踏み出そうとする人が、これまでの自分の生き方を振り返り、まだ迷いや悩みを抱えているのなら、もう一度これからの自分の生き方をデザインしなおしてみようという、ポジティブな姿勢なのです。
現在、この「わたし研究」のプログラムは、京都や大阪で「いきるをつくる」をコンセプトに、カフェ・食・暮らし・雑貨・服飾などで事業展開されているmumokutekiさんや、主に女性向けのファッション通販会社フェリシモさんといった有名な企業での社内研修プログラムに取り入れられていて、住民と自治体職員が同じ目線で行う自治体の取り組みとしてはとても先進的なものです。
今年は、9月からの土曜日に開催するということもあり、これまで平日は仕事で参加できなかった方も、参加できる日程になっています。
でも、難しく考える必要はなくて、ここに集まる女性たちは、あるがままの自分を受け入れていく中で、毎回講座のたびに気持ちをリフレッシュさせ、回を追うごとに仲間とつながりを深めながら、もう一度自分自身の生き方を描き直して成長されてきました。
「わたしが変われば、地域が変わる。」と題されたとよのわたし研究室のテーマは、「自分らしく生きる」ためにむしろ、自分自身がより良く変わっていこうと願う女性を応援するためのプロジェクトです。
わたし研究室修了生の皆さんによるプレワークショップを開催します。
2018・2019年度に講座を実際に受講し、修了生のみなさんは、とよのわたし研究室で出会った仲間と、地域でさまざまな活動をしておられます。「とよのわたし研究員」による『わたしらしさ診断』を体験したり、講座のことについて、話ができるワークショップです。ぜひ、ご参加ください。
日時:8月22日(土)午前10時~ (町立西公民館中会議室:光風台5-1-2)
8月25日(火)午前10時~ (町立中央公民館大会議室:余野26)
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4 comments
浅海さんのおっしゃる通り。「自分らしさ」は他者とのつながりから生まれてくるものです。「自分らしさ」は他者から私にプレゼントされるものだと思います。
先生、コメントをくださってありがとうございます。
この「自分らしさ」という曖昧な言葉をどう捉えるのか、なかなか人によるのでしょうね。
先生のおっしゃる他者からのプレゼントというのは、改めてとてもしっくりくる、深い理解ですね✨
とよのわたし研究室…もう3期目になるのですね!
自分をみつめ、研究し、自分らしさを大切にこれからの人生を生きていく…とても大事なことだと思います。
1期、2期を卒業された女性のみなさんのパワーが、やさしくふわりと、かつ、ゆるぎなくしっかりと、町内へ町外へと広がっていくようなイメージを感じます☆
わたし研究、まずは女性のみなさんに…という取り組みは、今の日本の社会の状態からは全く納得できるところではありますが、ひょっとしたら、男性のみなさんに対しても、また違う意味で、一人の人間としての自分を再発見するために役立つのではないかという気がします。(もっと自分らしく生きていきたい)という気持ちは、男女問わずだれもが心の奥に持っているものではないかと思います(#^.^#)
とよレポ☆みほさま
コメントありがとうございます。
おかげさまで、3年目になりました。
誰もが他人のではなく、自分自身の生をいきることを、自らの意思で選びとりたいですね。
男性の場合も同様ですが、女性の方が感覚においてしなやかさにまさっている気がします✨