みなさんこんにちは。Manierenです。
今日は9月から始まる「とよのわたし研究」のお話。
Youtubeでは募集動画が公開されています。
実は、3月3日に町で行われた~ふれあいフォーラム「わたしらしく生きるには」~を見学させていただき、会場の温かい雰囲気と、おわった後の参加者の方々の素敵な表情をみて、「なんだこれ・なんだこれ・なんだこれ…」とずっと思っていました。こんな感想どうかと思いますが…でもそうとしか表現できません(笑)
(その時の様子はこちら)
その時は小さなワークショップとして行われていた「わたし研究」が、プログラムとしていよいよスタート。そこで、「なんだこれ」を抱えて、講師を務める松原明美さんに、「わたしを研究する」についてお話を伺いました。
Manieren(以下「m」):
松原さんは、3月3日に実施された「とよのわたし研究会」で講師を担当されていましたよね。私もトヨノノレポーターとして現場を拝見したのですが、20代~70代という幅広い年代の女性たちが「わたしらしい生き方」について対話する様子にも驚きましたし、何より帰り際、皆さんの表情がとても晴れやかで清々しくて・・・こちらも笑顔になりながら、「何だろう、これは?」と衝撃を受けました。
松原さん(以下「松」):
ありがとうございます。私もあの時、豊能町の皆さんからは本当にパワーをいただきました。「わたし研究」がこれほど求められているのか、と手応えも感じています。
自分を知ると、視点が変わる
m:いよいよ9月からは「とよのわたし研究室」が始まりますね。改めて「わたし研究室」とはどんなものか教えていただけますか?
松:わたし研究室では、自分について理解を深めるために「わたし」について研究を行います。自分という人間がどんな人間で、何を求め、どう生きるのか。自分自身をあらゆる角度から研究することで、“わたしがどう生きるのか”の答えを個人の内側から探っていくのです。そうやって自分を知ることで、視点の転換が起きるのです。
m:視点の転換?
松:そうです。物事の見え方が変わると言えばわかりやすいでしょうか。その結果、同じ環境にいても前向きで自分らしくいられるようになります。
『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』という本をご存じですか?人生100年の時代を迎えるにあたって、私たちの生き方がどう変わるかを解説した本なのですが、その中に「変身資産」という言葉が紹介されています。変身資産とは、いわば自分の生き方をアップデートさせていく力のこと。そして生き方をアップデートするためには“自分についてよく知っていること”が重要だと言われています。
m:つまり「わたし」を研究することで、視座の転換が起きて、生き方がアップデートされていくと!
松:その通りです。そして自分を知るためにまず必要なのが「内省力」だと私は考えています。なので「わたし研究室」では自分についての理解力をアップさせるために、普段自分が無意識に感じていることに意識を向ける練習から始めることにしています。
内省的な生き方を習慣化する
m:内省力・・・なんとなくは分かるのですが・・・最近よく耳にする「マインドフルネス」のことですか?
松:マインドフルネスは「いま、ここの自分の心の動きに気づいていること」、内省とは「自分自身の心のはたらきや状態をかえりみること」を指します。つまり内省は、マインドフルネスで気づいた感情を観察し振り返っている状態と考えると分かりやすいかもしれませんね。
私は内省的な生き方を習慣にするための手法としてSAM(Self-Anchoring Method, 自我錨着法)というもの考案しているのですが、ここにもマインドフルネスと内省の両方を取り入れています。
m:忙しい日々を過ごす現代人の私たちこそ、内省的な生き方が特に求められているかもしれませんね。
松:そうなんです。忙しい日常のなかでは、つい時間に追われて生きてしまい、自分の気持ちに意識を向けたり、自分が感じていることに気づく時間があまりありません。私は心理セラピストとして活動するようになって15年以上経ちますが、そこで出逢った人の多くは、自分がどんなことを感じ、どんな風に世界を見ているのか、ほとんど気づいていませんでした。それよりも、周りの人が自分をどんな風に見ているのかに意識を集中させていることが多かったのです。でもそれって、人から認められるための「わたし」を生きているということになるでしょ。そうなるといつしか、自分らしさを見失ってしまっている人って意外に多いと思うのです。
m:ということは、「わたし研究」は見失いがちな自分らしさを取り戻すことでもあるのですね?
松:そうです。わたしを研究することで「本来感」を取り戻していくのです。本来感とは自分らしくある感覚のこと。本来感のある人は、よりよく生きる力(well-being)も高いことが研究からもわかっています。つまり本来の自分で生きることが、幸せに生きることにつながるというわけなんです。
これからのわたしらしい生き方=研究テーマ
m:わたし研究室では、最後に「研究テーマ」を発表されると伺いました。研究テーマと聞くと・・・何か大学院みたいですね。
松:(笑)「研究テーマ」とは、「これからのわたしらしい生き方」のことなのです。ご自身のこれからのMISSION(使命)、本当に自分が望む生き方、と言い換えてもいいかもしれませんね。研究テーマをつくることで、学んでいる意識が高まると思います。
わたし研究をした専業主婦の方がいたのですが、彼女はわたし研究をする前は「人と関わるのが煩わしい」と仰っていたんですね。でも、わたし研究をするなかで「本当はもっと人と深くつながりたかったんだ」という真逆の自分を発見されました。彼女は、学生の頃、信頼していた友人との間にトラブルが起こり、いつしか人と深く関わることが億劫になってしまっていたんです。それが原因で、人とは当たり障りなく関わるけれども、深くつながることはしないで生きてこられました。子どもが成長し子育てが落ちつき、ふと気づけば自分の周りには信頼できる友人がいないという自分に気づかれました。
そんな彼女の研究テーマは、「一生懸命頑張るお母さんの心の拠り所になる」というものでした。本心に気づいた彼女は、PTAの役員を務めたり、子どものサッカーチームの保護者の方とも積極的に関わり、人と深く関わりながら自分らしくいきるようになっています。
m:なるほど。「わたし」をしっかり研究したからこそ見えてくるのが「研究テーマ」なのですね。
松:そうです。面白いなぁと思うのは、「わたし研究」した人たちが掲げる研究テーマのほとんどが、身近な人を幸せにすることや社会に貢献することに関係しているんです。どうやら「わたし」を研究して内面が充たされた人は、自分以外の人の幸せを想う気持ちや、社会をよりよくしたいという気持ちになる傾向があるみたいです。
m:豊能町ではどんな研究テーマが生まれるのでしょうね!9月から始まる講座がますます楽しみになってきました。最後に、「とよのわたし研究室」について一言お願いします。
松:本当に楽しみです!豊能町で暮らす女性の皆さんが、本質から「これからの私らしい生き方」を発見し、それを地域で応援していくって、とてもワクワクしますね。
また皆さんの研究テーマを発表する「場」も設け、わたしを研究した人たちの生き方を地域で実現していけるようにプロジェクト化すること、ファシリテーター養成講座へステップアップできるなど、とよので暮らす女性の皆さんのスキルアップと活躍の場が広がっていくことを楽しみにしています。
「豊能町をわたしらしく生きる人でいっぱいにするプロジェクトですね」と松原さんがお話されるのを聞いて、インタビュー中もワクワクが止まりませんでした。
豊能町のブランドメッセージ、「曲がりくねって、ただいま。」そのボディコピーにこんなフレーズがあります。
そして、大切なものだけに囲まれたていねいな暮らしの中で、自分らしさを見つけたり取り戻したりしたりする人がいる。さあ、「ただいま」からはじめよう。
松原さんも、このコピーを見て驚かれたとのことです。まさにわたし研究は、自分に「ただいま」といい、そして「おかえり」と迎えてあげる、そこからはじめよう、ということなのかもしれません。
詳細が気になる方は、まず7月18日実施予定のプレ講座に参加されてみてはいかがでしょうか?
松原明美さん プロフィール
一般社団法人代表理事/内省教育プロデューサー
マインドフルネスな生き方を習慣化するセラピーを専門に、2007年より京都教育大学附属京都小中学校のスクールセラピストとして在籍。2013年、一般社団法人こころ館を設立。現在は同志社大学大学院総合政策科学研究科SIコース後期課程において自分らしさについての研究を行う。「わたしに生まれてきてよかった」と心から言える人がいっぱいの社会の実現を目指している。
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