二足歩行が人間のアイデンティティなのに、ちょっと骨折しただけで全然歩けなくなるの、自然界のバグじゃないですかね????左足のくるぶしをですね、ちょっとポッキンコとやっちゃったばかりに、全っっっったく歩けなくなって、困ってます。
でも、いいこともあります。
それは、人とのつながりが深まることです(ドヤアァァ……)。
ちょっと骨がポッキンコしただけで自由に動けなくなるのは人間に限らず自然界の全動物お互い様なのですが、人間は社会性のある動物なだけにですね、助け合うことが出来るんですよ。これすごくないですか。いわゆるチートってやつですか。
で、お医者さんがおっしゃるには、骨がくっつくまでめちゃくちゃ時間かかるらしいので、これは腰をすえて骨折ライフを楽しまねばと、車椅子を買いました。そこで、せっかくなので車椅子体験記なんかを書きしたためておけば、何かの役になつかもしれないぞウッシッシとほくそ笑んでみたわけです。体験したことある人からすると一般的なことばかりですが、一般的な体験記には一般的な体験記なりの意義ってものがあるかなと思いまして、骨折したなりに何かしらレポートできることもあるのではと思って筆をとった次第であります。
というわけで、車椅子に乗って町にでかけよう!
ところがギッチョン問題発生。自力で動かせない
実は左足以外に、左手も怪我してまして、それのおかげで自分では車椅子が動かせないんですよ。認識してるより割と大きい怪我だったようで。そういえば首も痛い。いきなり詰んだ。詰んだ餅。これはもうレポート以前。ただの骨折したおじさんの報告でしか無い。
しかし我々人間には応用力というものがあります。私もジャンル的には人間のくくりなので、応用力あります。基本的なやつだけですが。その応用力を発揮してですね。ここでは「妻に押してもらう」という応用力を効かせて、外に出てみることに成功しました!これもいわゆるチートってやつですか。
スロープ内にタンをはくで無い
世の中には二種類の人間が居まして、それが道端にタンをはく人間とタンをはかない人間ですね。タンをはかない族からするとタンをはくのは少し下品な行為かな〜〜とも思うんですが、どうしてもタンをはかないといけないご事情とかもあるかもしれませんし何ともいえないところでございます。決して嫌味っぽく書いているわけではなく、実際、骨折しないとわからないことも多いのと同じくして、のどを痛めた人にしかわからない、タンの悩みとかもあると思いますので、そこは歩み寄りも必要なのかな、とも思っているわけです。
しかしながらスロープにだけは。車椅子が段差を通れるように坂道になっているスロープにだけはタンをはくのは控えていただくとすごーくいいかなーなんて思いました。スロープにタンをはかれると、車椅子に乗ってる人はすご〜〜く困るんです。なのでできればスロープ内はひかえてほしいかなー。とか思ったりしたわけです。
で、スロープ内がダメなんだったら、ってんでスロープ降りたちょうど先とかにはかれてたりすると、なるほど、お前は一休さんか!と突っ込まざるを得ないですね。「ポクポクポクチーン!スロープ内にはいたらダメなんだったらスロープの先にはけばいいんだ!」って。ナイスとんち!って。こら!おちゃめさんか!まるでマリオカートのバナナのように、ここに置かれたら困る!この動線!絶対よけきれない!って。巧みなタンさばきか!
車椅子でしか動けん人って、家での生活も車椅子なので、外から帰ったらタイヤとかふいて家の中でも車椅子持って入らないとだめなんですけど、外で他人のはいたタンをふんだ車椅子で生活したい人っていないと思うんですよねー。できればでいいんですが、スロープにタンをはくのは、ちょっと控えてくださると、うれしいかなーなんて思いました。
車の排気ガスをもろに浴びる
ちょっとの目線の高さの差なんですが、車椅子で外出すると思った以上に排気ガスを浴びます。これはどうにかしてくれって話ではなくって、車椅子の方とか子供とか、こんなに排気ガス浴びてたんや、と申し訳ない気持ちになりました。私も怪我してなければ車乗りますんで。繰り返しになりますがこればっかりはすぐに誰かにどうにかできるわけではないですが、車椅子の方が具体的に何が困るのかを知る上で、自分もなってみないと絶対気づかないことの一つだったので、驚きでした。
あと、私はわりと排気ガスの匂いって好きなタイプの人間なんですが、どうせ嗅ぐなら2ストのほうがいいな、とちょっぴり思いました。ちなみにはじめてのボーナスで買った車は2ストの360ccでした。買った時点で36年落ちで内装終わってたので人工芝をひいて、ただでさえ謎旧車なのに謎カスタムをほどこしてたのは今でもいい思い出です。
あとはそんなに困ったことはない
いえ、あるにはあるんですよ。困ったこと。山ほど。段差は乗り越えられないとか、坂道はそもそも無理とか、普通のやつが。そもそも無理すぎて、結局車椅子で町を移動するのはそもそも無理なので。レポートのしようがない、みたいなレポートにせざるを得ないわけです。いわゆる逆説というやつですか。チートですか。
人が優しい
これ系のレポートって、これ系で結ぶこと多いと思うんですが実際のところやはり町の人の優しさは感じます。
人間誰しも、常に健康でいられるとは限らないわけで、お年寄りや子供や体の不自由な方が今困っていることは、未来の自分も困る可能性があることでもあるじゃないですか。でもいまから街中の段差をなくしたり坂道を平坦にしたりすることは難しいわけです。
その場合、町というハードがいかに福祉的に機能しているかよりも、住んでる人たちにどのくらい優しくしてもらえるか、が重要になってくると思います。
別にどこと比べてどう、というわけではないのですが、以前住んでいたところで骨折したときは、平坦な道をたった15分かけて通院するだけでも大変に不便な思いをしましたが、その当時苦労したことを思い出しながらやはりここは暮らしやすいところだなと改めて感じました。一人で歩いてて、怖いな、危険だなと感じることが極端に少ないの、わりと重要なんですね。
というわけで、めちゃくちゃ治りが遅い足の骨。いよいよ豊能町も春のおとずれ間近となってきましたので、せっかくの骨折ライフ、のんびり春を満喫したいと思います。