電車通勤、何して過ごす?
豊能町から大阪市方面に通勤をはじめて、かれこれ7年近く経ち、平日はほぼ毎日同じ時間に電車に乗り、電車という空間で約1時間(乗り換えなどを除いた純粋な乗車時間)過ごすルーティンが出来上がっています。
最初の頃は音楽を聴いたりして家と職場のあいだで気持ちを切り替えていましたが、お気に入りの音楽が定期的に一気に更新されることもなく、どこかマンネリを感じていましたので、一昨年から通勤時間を使って本を読むことにしたところ、これが僕にとっては非常に有意義なものとなり、通勤時間がただの移動時間ではない大切な時間として捉えられるようになったので、誰かの参考になればと思いこの記事を書くことにしました。
自分を高めるか他人の価値にふれるか
僕が読む本には大きく分けて2つのタイプに分けることができます。ひとつは読むことで日頃の生活や仕事に役立つ実用書で、もうひとつは自分とは違う登場人物の立場や心の機微を知ることができる小説です。
どちらも最終的には読むことで自分の血肉になるであろう点は変わりませんが、必要性を感じて読む実用書は必要だと思わなくなったら読まなくなってしまうのに対して、自分と違う立場や感情を知ることは(少なくとも僕にとっては)なかなか機会がなく、年齢や性別、職業などの立場を知ることができるチャンスだと捉えられるし、そもそも必要と感じないのに読むことは自己啓発につながることなのかもと感じるようになりました。
いつもの通勤電車が違う世界につながる
小説のいいところは、たとえば僕自身は今30代の会社員なのですが、20代女性の仕事観や60代の夫婦の在り方などについて普段他の人に根掘り葉掘り聴けないようなことを活字を通じて知ることができるということにあると思います。(もちろん、その作品や登場人物のケーススタディとしてになりますが)その代わりに作品や登場人物の数だけそれぞれの人生を垣間見ることができるため、新しい価値観にふれる機会として、最も気楽でお手軽な方法だなぁと思います。
家族が犯罪に巻き込まれたり、近しい人が病で死んでしまう、そんな人たちの経験談が僕自身の人生観を大きく変えることもあるかもしれませんよね。
僕の場合、そこまで劇的でなくても、働く意味や親としての立ち振る舞いなどについて作品の中で出てくる登場人物が教えてくれることもあります。
いつもの通勤電車で違う世界に入っていくことで、なんとなく心が豊かになるような気になれます。
図書館で借りられる(勝手に)おすすめする本
通勤電車で読む本のほとんどは豊能町立図書館で借りています。気づけば図書館のヘビーユーザーになっていました。
豊能町立図書館は、都市部の図書館に比べて人気の新刊の期間が短く(それでも半年〜1年待つものもあります)予約もネットでできるのでうまく活用すると切れ目なく常にカバンに本が入っている感じになります。
これまでに僕自身が通勤電車で読んだ本のうち、おすすめのものを勝手にいくつか紹介したいと思います。
- 心地よいズルをされたような「葉桜の季節に君を想うということ」
紹介すると言いながらミステリーに分類されるであろうこのお話は、その全貌を理解したときに思わず天を仰いで「マジか」と呟いてしまうようなミステリーです。
(あらすじ)「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵の将虎が同じフィットネスクラブに通う愛子から悪徳商法の調査を依頼され、同じ頃に自殺を図ろうとしているところを救ったさくらと運命の出会いを果たすところからはじまるミステリー。
- 子育ての難しさに寄り添ってくれる「わたしの良い子」
子どもがいてもいなくても、この本を読むと子どもを信じることの大切さや、家族ってなんだろうという問いへの光を感じることができると思います。電車で読んでたのに思わず涙がこぼれました。
(あらすじ)突然出て行った妹の子ども・朔と暮らすことになった椿。勉強が苦手で内にこもりがちな、決して“育てやすく”はない朔との生活の中で、椿は彼を無意識に他の子どもと比べていることに気づく。それは、大人としてやってもいいことなのだろうか―大人が言う「良い子」って、何?
ほかにもいろいろな立場や視点で描かれる作品がたくさんあります。お時間あるときに、図書館で本を借りるところからはじめてみてはいかがでしょうか。
1 comment
書店に並ぶ本の多さに迷うばかりのこの頃、お勧め本の紹介とてもうれしいです!
仕事を終え、電車内の読書で多様な世界観に出会い、また気分転換をして、帰りついて降り立つ駅のホームでは森の香りの空気に包まれる‥‥豊能町ならではですね。
ふと、思ったのは‥‥駅に”まちかど文庫”みたいなのがあったら・・・・(今は無理でしょうが💦)良いかも(#^.^#)