豊能町東地区の活性化や自然を楽しむ活動を展開中のトヨノ部。ある日曜日、余野川沿いの遊休農地で部活動中のトヨノ部代表の高橋弘樹さんに、「R423 FLOWER ROAD PROJECT」やトヨノ部についてお話をお聴きしました。
町中で一斉にひまわりが咲くという一体感をみんなで楽しみたい
── まずは、「R423 FLOWER ROAD PROJECT」について教えてください。
高橋さん:季節の移ろいを感じることができる花を咲かせたいというメンバーの発案からスタートしました。町内外の人が利用する国道423号線の近くの遊休農地を、春はレンゲ畑、夏はひまわり畑にして、みなさんに楽しんでもらっています。
昨年のひまわり畑には多くの方に来て頂き、SNSでもたくさん紹介してもらいました。
── 今年の「R423 FLOWER ROAD PROJECT」は一味違うんですよね。
高橋さん:はい。夏に向けて、遊休農地だけではなく、町内の各所で一斉にひまわりを咲かせる予定です。
まずは、町内のお店にお願いして、4月からひまわりの種を無料で配布してもらいます。そして、みんながひまわりの種をまき、育て、まちをひまわりでいっぱいにする計画です。お盆あたりに一斉にひまわりが咲くように、6月13日くらいに種をまいてもらえたら。
ひまわりが咲いたら、是非見に来てもらい、ハッシュタグ「♯R423FLOWERROADPROJECT」を使ってSNSで発信してもらいたいですね。とにかく、いろんな形で参加してもらい、楽しんでもらえたらと思っています。
トヨノ部で自分たちが楽しいことをやりたいし、子どもには色んな体験をさせてあげたい
── 「R423 FLOWER ROAD PROJECT」 の仕掛け人「トヨノ部」についても知りたいです。設立のきっかけを教えてください。
高橋さん:我が子と同学年の保護者さんがと「何か楽しいことしたいね!まちを活気づけることができたらさらにいいよね」って話になったのがキッカケで、令和元年5月にトヨノ部を設立しました。
まあ、大げさに言ったらまちの活性化ということですが、自分らが楽しいことをやれないかなって。
せっかく自然が豊かなところに住んでいるなら子どもたちに色々体験させてあげられるような活動ができたらいいよねって。
── やっぱり、まちの変化は感じますか?
高橋さん:約2年活動してきて、まちに対する思いが熱くなってきたり、地域の方とのつながりが広がってきたり、豊能町や東能勢小学校との連携ができてきたり、徐々にですがまちが動き出していることを感じています。
トヨノ部の活動を通して、子育て世代に「このまちって楽しいところだな」って思ってもらったり、他から足を運んでもらったりしたらいいなって思っています。
イカ焼き店を出店して、地域とつながる楽しさを実感
── トヨノ部を設立してから、どんな活動をしたのですか?
高橋さん:希望ケ丘の夏祭りでイカ焼き店を出店したのが、トヨノ部の最初の活動ですね。
でも、そこにエピソードがあって!トヨノ部部員のお母さんにあたる方が、コーラスグループに参加していて、グループの人たちと毎年、夏祭りにイカ焼きのお店を出していたんです。でも、年々店を出すのが大変になっていたようで。で、「お店を継いでよ」、「じゃあ継がせてもらいます」と。
そこで、地域の人とつながっていく楽しさをいきなり体感できて。これが次の世代につながっていったらいいなぁって思いましたね。
── イカ焼きのノウハウも教えてもらいながら?
高橋さん:そうです。教えてもらって、練習をしました。教えてくれるおばちゃんたちもうれしかったと思います。僕らがイカ焼きの店を継いでもらえるってことで、めちゃくちゃ大事にしてもらって。僕らも楽しくて、うれしくて。
でも、コロナが流行して、次の年は希望ケ丘の祭りが中止になったんです。それ以外にも「とよのまつり」などで、何回か出店したんですけど。今は、やりたくてもできない状況ですね
コンセプトは「楽しむ」だけど、結構マジメに地域のことを考えている部活動
── イカ焼き店の出店から、まちの活性化にどうやって移行していったんですか?
高橋さん:実は、結構マジメに部内でも会議をしてまして(笑)
コンセプトをはっきりさせて、みんなとも共有したんです。あとは、部活動の重点目標みたいなものをみんなで確認しながらやっているんですよ。
── 結構まじめ!(笑) コンセプトなどについて詳しく教えてください。
高橋さん:部活動のコンセプトは「楽しむ」ですね。あと、重点目標として「次世代の育成」「地域での世代を超えた連携・地域の輪を広げる」「東地区のPRで人口増加をめざす」といったものがあります。
とにかくコンセプトの「楽しむ」は重要ですが、どんな部活動をするにしても、重点目標を意識して進めていますね。
── 次世代の育成については、どんなことをしているんですか?
高橋さん:東能勢小学校・中学校などと連携した活動をしています。最初は小学校と連携して、しめなわづくりのワークショップをした時、先生方が活動理念に大変共感してくれて、「何か他にもやりたいですね」っていう話になって。
そこで、子どもたちが命をいただくという体験ができたら嬉しい、という声がでて。ちょうど、町内の高山でジビエレストランをやっておられる山上さんも似たような想いをSNSで発信されていたので、僕らが学校と山上さんの間に入って、授業をやってもらいました。
── 地域での世代を超えた交流にもつながりますね。
高橋さん:そうですね。先程のしめなわづくりのワークショップも、地域のおばちゃんたちに学校へきてもらってやったんです。今後も東地区で活動している色々な団体とつながり、地域の輪をどんどん広げていきたいです。
地域の人をつなげる活動、次代を育てる活動、豊能町に来てもらうための活動をうまくリンクさせたら、人口増じゃなくても、人口維持はできるのかもしれないと。
どれかひとつだけやっていても、物事が思った方に動かないんですよね。今回の「R423 FLOWER ROAD PROJECT」もその発想から生まれた活動のひとつですね。
遊休農地を人がつながる場、みんなが楽しむ場にする
── 今日おじゃましたところも遊休農地だとお聞きしましたが、まちの遊休農地の状況は?
高橋さん:あくまでも僕の体感ですが、高齢化が進んで、年々草が生えている田畑が増えてきているように思います。自分の親世代が農業をできなくなってきたら、豊能町では一気に遊休農地が増えるでしょうね。
── この遊休農地の将来展望は?
高橋さん:ここは、人がつながる場であり、我々が楽しむ場だと思っています。今は「R423 FLOWER ROAD PROJECT」の一環でレンゲの種をまいていますが、今後は、野菜とかもつくっていけたらと。あとは、部員同士が意見交換をして、決めていきます。
僕は「フラワーパーク」みたいなのをつくりたいなと思っていますが、まだみんなに言えていないので、ここだけの話ですね(笑)(注:記事にしちゃいました)
── まさに「R423 FLOWER ROAD PROJECT」の中心になりそうですね。
高橋さん:国道沿いになるので、町外から通行する人にインパクトを与えることができるかなって。
あと、今日みたいに子どもたちが楽しそうに遊んでいる姿を見たら、なんか楽しそうなことしてると思って、いろんな方が結構声をかけてくれるんですよ。そして、「トヨノ部って、どうやって入れるんですか?」って。
この活動を次の世代につなげていくことが僕のミッション
── 部員の方からもお話を伺ったのですが、トヨノ部の活動は「絶対参加しないといけない」みたいなことがなくて、自由度が高いんですね。
高橋さん:活動を続けていくためには、自由度が高いって大事だと思っています。でも、自由度が高くて楽しいだけでは、活動は続けていけないんです。
僕は42歳になるのですが、もう、次の世代につないでいくことばっかり考えているんです。それぐらいの感じでいかないと。こういう活動って、今活動している人たちが盛り上がって、年をとって、しんどくなるということがよくあって。でも、そうなりたくないので、次代につないでいくとばっかり考えています。
── まだ42歳なのに……。次の世代って具体的にどういうことですか?
高橋さん:大学生との連携も「次の世代につなぐ」という観点でやっています。次の世代の人たちに、「この活動おもろいな」「この活動続けたいな」と思ってもらい、どんどん参加してもらったら、同世代の人も集まってくると思うので。
実際、町内在住で染物の勉強をしている大学生さんから、「余野川にトヨノボリ(豊能町産物のヤーコンなどで染めたのぼり)を泳がせたい」というお話を聞いて、実際にやりました(笑)
── 素敵なアイデアを聞いたら、とりあえずやっちゃえって感じなんですね(笑)
高橋さん:アイデア聞くとワクワクするじゃないですか。それで、芋づる式に、色々なアイデアがふくらんで、それを実際にやっちゃうんで、楽しいんですよね。
あと、自分たちが楽しかったら、「楽しい」と思って集まってくれる人がいると思うので。
もちろん、町内の方だけではなくて、町外の方にも参加してもらえたらと思っています。実際に、箕面や池田、宝塚の方も参加してますし、興味がある活動にだけ参加している方もいます。
── 今後の活動が楽しみですね。
高橋さん:僕も部員のみんなもこのまちが好きで、なんとかしたいなって思っているのですが、トヨノ部の活動を通じて、徐々に色々なことが形になっているのでうれしいです。
でも、これからも、やりたいことがたくさんありすぎて……。だからこそ、多くの方に、トヨノ部に参加してもらい、一緒にトヨノの自然や文化などを体感してほしいです。
とにかく前向きで、明るく、楽しそうにお話をしてくれた高橋さん。部活動にかける熱い想いと戦略的な考え方を聴いている途中、周りを走っていた子ども部員さんが、トゲトゲが痛いくっつき虫をくれました(笑)
高橋さんへのインタビュー前後にも、たくさんの部員のみなさんからお話を聴いて、それぞれの方にとって、トヨノ部が豊能の自然と暮らしを楽しむ場であり、まちづくりを楽しむ場なのだと納得しました。
私も4月になったら、まずはひまわりの種をもらいに行きます。
◆ 連絡先
トヨノ部 部長 髙橋 弘樹さん
Mail: toyonobu.osaka@gmail.com
https://www.toyonobuosaka.com/
◆ SUPPORT – 応援おねがいします
- 種まきイベント(2021.6.13)に参加
- 楽しむ・見て回る・SNS発信
- 駐車場(国道423号線沿い)のご提供
取材日・2021/02/28
文・北川淳也
写真提供・トヨノ部
撮影・北川淳也
1 comment
あの素晴らしいひまわり畑やレンゲ畑を出現させた《トヨノ部》さんが、”イカ焼き”から出発されたとは‥‥!(笑)楽しいエピソードですね。豊能の自然の中でのおおらかな発想と活動に、無限の広がりを、子供世代や若いパワーへのつながりに、明るい未来を感じました。
‥‥ひまわり、私も植えたいですヽ(^o^)丿←密かに道端でシロバナタンポポの種まきをしているオバサン(^^;)