あなたの年収だと9万円しか住宅ローン借りられないっすねと言われて、きゅ、きゅうまんえんですか?900万円とかではなく?みたいな反応になるじゃないですか。あ〜こいつ35年かけて9万円返済しそうとか思われてるの、そんなことあります?ってなるじゃないですか。9万円って、学生でも1ヶ月バイト頑張ったら稼ぎそうじゃないですか。お宅のご主人の稼ぎだと35年ローンで借りれて9万円ですねーとか言われるの、そんな奴世界に自分以外におる?ってなる。
住宅ローンで9万円借りられたとして、利率を端折って35年ローンで返済するとするとだいたい年間2600円返せば良いことになる。毎月にすると210円弱返済すればいい!35年間、毎月210円ずつ返済してけば返せそう!現実的な返済計画!やかましいわ!9万円で家の何買うねん!いい蛇口買ったら終わってまうわ!蛇口って!おれ35年で買えるの蛇口!?
普通、住宅ローンがこれくらいしか借りられないならあれとこれとあきらめるしかないかなーそれとも頭金もう少し増やせないかかき集める先を探すかなーとか、そういう話になるじゃないですか。どうすんの?これ、予算にちょっと届かないとか、そういうレベルの話ではないんだけど、住宅ローン9万円はホンマに草。
義父母は寝込んだ
そのやりとりを隣で聞いてた義父母たちは具合が悪くなって寝込んでしまいました。35年かけて9万円返しそうな奴のところに嫁に出した義父母達……マジパネェ……。だいいち家買う話してるのに9万円て額が出てくるとはこちらも予想外で、住宅ローン界最弱を極めたんじゃないかという実感はありまして、そこに関しては満足です。
もともとそこまで住みたいわけでもなかったんだからねっ!!!
勘違いしないでよね!というわけで住宅ローン9万円しか借りられなさそう男が負け惜しみをいったところで、不動産屋さんとしてもあっそはーい悔しかったら9万円以上借りられるようになって来てくださいねーってなるじゃないですか。あっはーい帰り口はあちらでーすあっはーいさいならー。キーッ!相手にされてねえ!
いやいやいや絶対そっちの計算間違ってますよね住宅ローンで9万円って数字でると思う?って反論しようとしても、問答無用って感じであーこれだから自営業者はって感じで聞く耳持たない。もう問答無用で9万円。絶対に揺るがないって態度。揺るぎなき9万円の男。ふええ……それが俺の印象……ってコト?
妻の祖父母が住んでた家を買う予定だった
別にどこでもよかったんだけどちょうど祖父母が暮らしてた家が今空き家になってたので、んじゃそこに住まわせてもらおうぜーって感じで交渉したのが豊能町の物件でした。4年間空き家になってたので、空き家なんだからタダで住まわせてもらおう!とお願いしたところなんて図々しい奴と怒られてしまったので、んじゃ売りに出すんだったら自分らで買うか、という話になって、不動産屋さんがご主人の稼ぎだといくら借りられるかみてあげましょうということで当時私自営業してたので確定申告書を持って不動産屋に見せにいったら9万円と言われたのでした。
結果的にはその不動産屋が間違ってて、最終的に銀行に見せたら全然余裕で借りられたわけですが、その話はまた別の機会に。不動産屋のポカをボロクソ並べることになるので全然おもしろくないと思います。当時は割と収入がずっと上がってた時期でして、こう言っては何ですが人と比べてもむしろ多い方だと思っていたので収入から借入額を算出したらたくさん借りることになってしまうのでどうやって断ろうというつもりで収入を見せたこともあって、まさかぱっとみて「あ〜9万円っすね」とか言われるとは夢にも思っておらず、いやいや、今絶対違うところ見てましたよね明らかに間違ってますよねというこちらの訴えにも即答で「自営業者はみんな言うんすよね〜」みたいな反応されて大草原不可避でした。結果的には不動産屋が単独でポカしただけで銀行では問題なく借りられたので、全然良かったです。
当時は豊能町は人気なかった
今でこそ2年連続幸福度ランキング1位になったりする豊能町ですが、私が移住を計画してた2014〜2015年あたりは豊能町はまだまだ人気がなくて、不人気というよりは知名度が足りてない感じでした。能勢、箕面、猪名川、池田、川西、茨木、亀岡とお隣はどこも人気が高いのに対して、もう全然誰からも知られてない感じでした。僕達が買った後も土地の価格がどんどん下がっていて、こうなることがわかってたからタダで住めないか交渉したのに、なんで借金までしてここ住まなあかんねんという気持ちでした。
住んでみるとここで良かったという気持ちが生まれた
ただ、住んですぐにネガティブな思いは消えました。都心からのほどよい距離があるからこそ感じられる住環境の豊かさが、世間一般での当時の不動産の人気や価値よりも上回っていたことにすぐに気がついたからです。
普段の買い物なら町内のスーパーで事足りるし、ちょっと足をのばせば郊外型の大型ショッピングセンターもあるので、普段の生活が湖畔のドライブとかすごく楽しいです。家は広いし空気はうまいし町もゆとりがあるし映画にコンサートに演劇に近隣で文化的な催しもやってるし、畑に自然に歴史にドローン飛行場まで何でもアクセスできます。
都会の人たちが田舎暮らしに憧れて真似をする時代、田舎から発信したことが次の潮流を生み出していくこともできるし、この場所ってすごくいいなと引っ越してすぐ思い始めました。文化的にゆとりがあるからなのかみんな親切だし、こちらの親切に対してもすごく喜ばれるのも気持ちがいいです。
趣味はバイクにカメラに畑にショッピング、もちろんプログラミングも
週末はバイクの練習場やサーキットまでもすぐだし、カメラがほこりかぶるヒマがないほど生活圏に被写体にあふれてるし、ショッピングも郊外型大型店舗も都心もすぐ行けるし、畑の手伝いや薪割り、プライベートキャンプ場の整備してアウトドアの月明かりで小説執筆、プログラミングの仕事で疲れた後は趣味のプログラミングを楽しむことも。こっちに引っ越してからヒマしたことがありません。自治会や子ども会の手伝いをすればすぐ知り合いも増えるので、移住してきてよそ者扱いされたことも全くないです。このへんは人によるのかもしれませんが、少なくとも自分は移り住んで良かったことが大きいです。一方で、田舎あるあるですが頼りにされるとどうしても責任が重くなりがちで、途中で投げ出して周りに迷惑かけるわけにもいかずいろんな頼まれごとが重なってくるようになるのは、わかってないと負担になるかなとも思います。
豊能町は特に何もない、普通の町だからこそ、誰が住んでも特別苦労することなくすぐに馴染むことが出来ると思います。趣味が多い人はもちろん、普段あまり趣味の時間を過ごさない人もこの町に住むと趣味が増えるんじゃないかなと思います。あと知り合いもすぐ増えると書きましたが、全体的にほどよい距離感が保てるので、特に近所とベタベタしたくない人も不満なく暮らせるのも魅力だと思いました。