6月26日より7月29日まで、豊能町立図書館々内の「ガラスの大箱」で展示をしております。
展示者は町内在住、トヨノノレポーターの小嶋正良です。
豊能町立図書館:豊能町光風台5丁目1-2、TEL072-738-3304
夕焼けをバックにした、落ち着いた雰囲気の図書館の玄関
緑豊かな自然に包まれた我が町「豊能町東地区の姿」をジオラマでご覧いただきます。皆さんのお住いの地区には今なお神社・お寺をはじめ沢山の石像物(文化財)がひっそりと佇んでおります。これらの文化財は、先人たちが色々な思いを秘めて私たちに残してくれた、大切な贈り物と言えるでしょう。
特に豊能町には古(いにしえ)より多くの石材{主に石英閃緑岩(せきえいせんりょくがん)}が産出されており、この石英閃緑岩という岩石は私たちが良く知る御影石(花崗岩)の仲間で、その石質は非常に硬い為に彫刻はしにくいが、長年の風雨による風化に耐え、剝落し難いという性質を持っており、その姿を永く留め置く事が出来たのでしょう。特に当時は、大きな石切り場もなく、露石や転石などから砕石された様で、これらの材石の多い、切畑・木代等では摩崖仏や板状石に石仏を刻むものが多かったようです。
石造物の種目についても内容が各種に及んでいますが、特にこの地には前述した摩崖仏が多いのが特色と言えそうです。それは名号板碑や十三仏の造立が盛んであった室町末期に多く、阿弥陀仏を主仏としてその下部に全結衆造立者を地蔵の姿として掘り込み、来世の安楽往生を祈った、いわゆる逆修仏(ぎゃくしゅうぶつ)の形式の石仏群像(多尊石仏)であり、当時の能勢地方に見られることが大きな特徴であります。当時の石仏では阿弥陀仏・地蔵がその殆どを占めており、そこには当時の庶民信仰の実態、来世の安穏を求めた願いが感じられます。
このような様々な庶民の思いを、思い浮かべながら、ご鑑賞頂ければ幸いです。