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初谷渓谷ついて:
初谷川は、能勢妙見山(660.1m)を源流として西に上杉尾根、南に光明山639m)、天台山(639.7m)の伏流水が、吉川の下の町を上流として、ときわ台、光風台、笹部をとおり一庫で大路次川と合流し猪名川に注ぎ込む。一庫まで10kmあまり。昔は風水害にも悩まされたが、田んぼの水や野菜を洗ったり、洗濯をしたり子供たちは川をせき止めて泳いだり生活に密着していた。現在の初谷川は水田や菜園に活用されている以外にその清流と周辺の里山は大阪府の「みどりの百選」に選ばれている。
季節ごとに変わる野草、樹木は約420種類あり、その中には大阪府の絶滅危惧種、準絶滅危惧種が数種類がある。留鳥、標鳥等「オオルリ」サンコウチョウ」めずらしい野鳥が年間95種類飛来している。絶滅に瀕している黒蝶であるオオムラサキを始めとしてクワガタ虫などの昆虫が生息し、両岸の山には桜の野生種のエドヒガンが最近多く咲くようになっている。川には、アブラハヤ、タカハヤ、川底にはドンコ、カワヨシノボリ、サワガニ、石の下にはカワゲラ、トビゲラの仲間が生息し「きれいな水」の判定基準になる水生生物の宝庫です。
初谷川もわずか60年前、その水で田んぼでお米を作ったり、物を洗ったりと貴重な資源でした。奥橋の少し上流には水車小屋があり、お米を精米していた。
水をコントロールする設備がなかった当時、一度大雨が降ると濁流となり小石が流れてきて川は埋まり、岸や橋は流され大きな被害があった。高度成長期に入り、砂防ダム(砂防堰堤)や石張り、コンクリートの護岸工事が施工され、下流での被害がなくなった。また、生活様式も変わり集落の人も、田んぼの水以外に川に関心をもたなくなった。砂防堰堤は、水害をなくしたが、魚たちは堰堤を登って来れず生活場所が限定され、海まで卵を産みに行くウナギなどは帰って来れず初谷川では絶滅になった。
吉川地区はおおよそ千年前に現豊能町川尻地区から分離したと言われている。約2千年前(弥生時代)から水田耕作が行われ燃料供給の為に木々の伐採が繰り返されていた。近世になり、水田の増加と共に人口も増え初谷の山も吉川地区や川尻地区から燃料に木の伐採、水田の肥料に落ち葉の採集、牛馬の飼料の草木、かやぶき屋根の茅の刈り取りなどように生活と密着したものになり、持続的な採集のために樹木が育成されたのが里山(里山林)と言う。このように、里山は人間が自然に手を入れ、その資源を利用することによって、多種多様の生物を育み、共存してきた森林です。特に、現在の環境を作ったのが「炭焼き」である。吉川地区から出荷された「炭」は「菊炭」と言って最高級の品質であった。
昭和30年代か始まったガス、石油により燃料革命により、木々の伐採と再生の循環システムは崩壊し、以前は木を伐採した場合に新しい新芽と共に、それに共生する生物などの出現で生物多様性が保たれていたが、現在は森林(里山)を活用しなくなったことから、生物多様性が薄らいでいます。
現在では、妙見山へのハイキング、サイクリング、バイクのツーリング、野鳥観察、植物観察、地元の人の散歩コース、最近では、家族連れ、仲間同士のBBQ等でのピクニックを楽しむ人が増加傾向にある。
「初谷歩き」平成29年3月発行、豊能町吉川自治会 向井 勝 著 参考
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初谷渓谷ドローン撮影(下流より第四堰堤上空付近より)山の向こうは豊能町の東地区(余野、川尻、木代、切畑、野間口、牧、寺田、高山地区)です
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6年前の源流、今はもう少し下流になっている。場所はハイキングコース緊急通報ポイント最終のNo,21の少し下にあった。
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緊急通報ポイント:妙見山ハイキングコース(4コース)には、火事、救助、救命等の事故があれば、コースに緊急通報ポイント番号の看板が設置しているので、消防署(119)に、位置番号を連絡すると救助に来てくれる。
青色はヘリコプターが来てくれる位置です。
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奥橋:妙見山ハイキング、初谷渓谷コースのスタートはこの奥橋からです。
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初谷川と平井川の合流点:吉川地区の猿坂橋と増見橋との中間ぐらいの所で、
右から平井川が初谷川に流れ込む。平井川はピーク444(天狗山)の中腹辺りが源流、吉川地区の中の町を流れている。
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初谷川と大路次川の合流点:川西市笹部1丁目、慶昌寺北側、大路次川に
右から初谷川が流れ込む。大路次川は猪名川に流れ込む。
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堰堤(下流より4番目):初谷川には4ケ所の堰堤がある。この堰堤完成により吉川地区の下の町は水害に遭わない様になった。
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大がかかりな山崩れ防止の砂防堰堤、この堰堤により山崩れも少なくなった。
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2018年7月の大洪水の後の3番堰堤
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2018年9月の大豪雨の爪あと、ハイキングコースは増水、倒木、崖崩れでしばらくは通行禁止であった。
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最近、キャンプをする来訪者が多くなってきました。今は装備が良くなっているので冬でも泊っていかれる。
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BBQ広場:家族ずれ、仲間同士が美味しそうなBBQをしたり、川の中に入り水遊びや、魚捕りを楽しんでいる。
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ボーイスカート・ガールスカートの人達、多い時にはこの河原に100人以上来る時がある。周りも清掃を綺麗にして帰られる。大変マナーが良い。
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ボーイスカート達の竹ご飯の準備。もち米を川で洗っている。
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1ケ月に一回、野鳥の会員の方が探鳥会を開催されている。95種類の野鳥を初谷渓谷で確認している。
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妙見山ハイキング、頂上の妙見宮まで約二時間ぐらいで登れる。能勢電車主催の妙見ハイクでは300名以上の参加者がある。
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中間あたりにまで来ると、ここから約12~13ケ所の沢渡りがある。川に落ちないようバランスをとり、スリルがあり楽しく登っていく。雨上がりの日などは水嵩が多いので注意して下さい。
今回で初谷渓谷の①は終わりですが、次回はこの続きの②を、その次は初谷渓谷の樹木、野草を掲載しますので楽しみにして下さい。