“自治会”とか“町内会”とか、いろいろ呼び方はあるんですが、ここ豊能町では“自治会”という呼び方で統一してるみたいです。町外から町内への移住を検討する人も増えているなかで、なんか他の町とかの話はネットとかでいろいろ聞くけど豊能町の自治会は実際のところどうなの???ってのをぱぱっと書いてみました。
ちなみに、書いてる本人は豊能町のある地区の自治会長だったりしますが、団体を代表して書いているわけではなくあくまで個人の意見です。予防線予防線。
おしながき
こんなことを書いています。
- どんなことをするの?
- どんな人がいるの?
- 絶対に入らないといけないの?
- 入らないとどうなるの?
- 入ったら何か得があるの?
- 課題
どんなことをするの?
年に2回ほど公園とか掃除したり、年に1、2回お祭りしたりします。COVID-19禍ではしたりしなかったり。命がけでするほどのことではないので、そのへんは臨機応変にやったりやらなかったりですよね〜。どこも同じだと思います。
いろいろと呼び方はあるんですが、数年に1回のペースで(場合によっては10数年〜数10年に一回)ちょっとした役職当番がまわってきて、その当番にあたった年度は回覧板の管理とか月に1、2回ある会合に出席するなどのちょっとした仕事が与えられます。役員などのもうちょっと重めな役とかが回ってくると、まあまあ仕事が増えます。それ以外はチョロいもんです。
その他、地域の交流とか災害時の公助とかいろいろ目的はありますが、詳しくはお住まいの地域の自治会館にいって、会則をみせてもらうとだいたいどんなことするか様子がわかると思います。みんな、住んでる場所の近所同士で構成されてる団体なので、そんな無茶な活動とかを強いる雰囲気は基本的には無いです。
どんな人がいるの?
前段にも書いたように、住んでる近所同士で組織された団体ですので、ご近所さん以上でも以下でもありません、ふつうの住んでる人たちで構成されています。地域の人口比率がそのまま反映されるので、会員はご高齢の方が多めですが、若者が入ってきにくいわけでもないです。単に人口構成上高齢になってるだけで、若者排除とかそういう雰囲気があるわけではないです。
役員も原則として当番にまわってきた会員のなかで、出来る人が年度ごとに担当するので、良くも悪くも理想に向かって突き進んでるという雰囲気はなく、お互いできることをやっていこうという雰囲気です。ぶっちゃけ、役員になりたい人は少ないので、当番のなかから役を押し付けあい、クジで決まって嫌々やってる、みたいな雰囲気もなくはないですが、みなさん役になったらなったで与えられた責任はまっとうしようとする方ばかりです。
絶対に入らないといけないの?
そんなことはありません。どの団体に入るかを決める自由(裏を返せば入らない自由)は憲法で保障されているので、自治会に入る入らないの決定は個人に強制されるものではありません。ですので、自治会に入るメリットを十分に理解した上で、入るか入らないかをご自身で判断したらいいんですヨ。
というのが大前提で。
実際のところ、これをご覧のみなさまはぶっちゃけどうなの???ってのを聞きたいんだと思います。入らなかったらどうなるの??ってのを。
ズバリ!結論から。
何もありません。
入らなかったからといって、デメリットは本当に何もありません。
たぶん、これを見て心配してる人は、ネットとかによくある他の地域の“田舎暮らしは最高だって言うけど自治会に入らなかったことでゴミ出しを断られたりデメリットがあった!!!”的な話を聞いて、この町はどうなんかなということを考えたんだと思います。他の地域で本当にそんなことがあるのかないのかは知りませんが、豊能町に限って入らなかったからといって何かデメリットがあることは一切ありません。ゴミ出しに限っても町がやってるんで自治会関係ないし。
ということで安心めされよ。ネットとかで話題になる他の地域の田舎ならではのネチネチはここではそんなに無いと思うです。
じゃあ入ったら何か得があるの?
ではでは、自治会に入るメリット。ん〜ぱっと考えてわかりやすい答えがみつからないですね……。無いんですかね……。
メリットが無いのに自治会に入ってるってことは、やっぱり暗黙の強制があるんじゃないの?怪しいなあと思われるかもしれませんが、意外とみんな必要性を感じて自主的に入ってるので、そこはもうほんと、そんな感じなんです。
そう、メリットというより必要性を考えた方がいいのかもしれないです。自治会という団体からサービスを提供してもらうという考え方ではなくて、助け合うみたいなやつなんですかね〜。
入らなくてもいいっていうのは、すごく良いことだと思うのです。口で言っちゃうとなんか逆説的に皮肉で言ってるみたいに聞こえるかもしれないですけど、何か理由があって入れない人も特に理由もなく入らない人も、そういうのが普通にできる社会ってすごく成熟してるし豊かだと思うのです。自分だっていつ人から一方的にお世話になる立場になるかわからないので、せめて自分が出来ることがある限りは、そういう豊かな社会の基盤づくりにお手伝いする、そういうのがお互いできてるってことなので、素晴らしいなと思うのです。
人間の社会の最小単位が家族だとしたら、その次の単位がお隣さん同士。その繋がりが自治会なので、家を愛する気持ちの拡張が自治会への参加だと思っています。家族がお互いに進んで家事をこなして、暮らしをちょっとずつ整えていくその次のステップに、お隣同士の諸々をうまくやってく行為があるように思います。
とはいえ、お隣同士ベタベタするほどでもない現代。ほどよくご近所付き合いできる距離感みたいなものが、自治会の活動なのかなと思っています。
課題
この記事は自治会への加入を勧めてる記事ですので、この記事を読んで自治会に入った人が「こんなはずじゃなかった」って思わないように、私が現時点で気付いてる課題もあげておきます。
高齢化。あたりまえですが高齢であることそのものが課題なわけではありません。人間誰しも高齢になりますので、いろんな年代の人が近所のご高齢者が安心して暮らせる町づくりにすることは未来の自分の人生を整えていることに等しいです。ただ、人口比率的な高齢化は自治会活動にもさまざまな課題を残します。よくネットの記事で「IT活用で自治会を効率化!」みたいな切り口が人気を呼びますが、物事には全てに良し悪しがあるので、高齢化にも良し悪しがあるのと同じように、IT化にも良し悪しがあります。そして、自治会のIT化の良し悪しと高齢化の良し悪しはお互いに悪しの部分を補強しあってる感じなので、さらに解決は難しそうです。
若い人は良くも悪くも頼りにされます。悪くいうと押し付けられることがあるかもしれません。悪気とかそういうのではなく、単に頼ってるんだと思いますが細かく見受けられます。これも、もちろん良い面もありますので、人に頼りにされるのが構わない人や嬉しい人のほうが、うまくやれると思います。
メリットを感じにくいです。記事全体でも書いていますが、ボランティア活動のなかでもメリットを感じにくい部類の活動になると思います。ただ、意義は感じますので、そのへんをどう受け止めるかで評価は変わってくると思います。
ただ、このへんに書かれてあるのはどれも役が回ってきたときの話なので、普通に暮らしてる分には自治会に入って、特別に何かを感じることは無いと思います。良くも悪くも、年何千円かの自治会費を払って、たまに回ってくる回覧板を回すだけ。それさえしておけば特別波風を立てることなく暮らしてる、そんな感想がほとんどだと思います。じゃあ言葉尻を捉えて入らなければやっぱり波風たつの?と言われると、そんなことはありません。繰り返し強調したいところですが、入っても入らなくても問題ないからこそ、むしろ入らない(もしくは入れない)という意思を尊重するからこそ入るという選択に意義が生まれるものだと思っています。
それでも自治会は仲間を必要としてる
ここまでぶっちゃけ書いたんでそのうえで募集します。自治会は仲間を必要としています。役が回ってきたら面倒ごともあったりはします。それでも、なんかやってあげようっていう気骨のある人はぜひ役員になってもらいたいし、そうでなくてもただの自治会員として入って欲しいです。小さい町なんで近所があんまり興味ない人ばっかりになったらなんか寂しいじゃないですか。めっちゃベタベタしようぜって言ってるんじゃなくて、自治会員というゆるい枠組みに入っていようぜっていうお誘いなので、そういうの全然いいよって人いましたら、ふわっと自治会に入ってもらえるとうれしいな〜と思います。