あっという間の3月。うぐいすの鳴き声が春の訪れを感じさせてくれます。
豊能町で春と言えば、忘れてはならないのが高山真菜。可愛らしい名前のアイドルかと思いきや、豊能町高山地区だけで育てられてきた貴重な野菜で、なにわの伝統野菜にも認証されています。

収穫期になる少し前の初々しい真菜をわけて頂きました。
高山真菜はアブラナ科の一種で、原産地の地中海沿岸から中国を経由し日本に伝えられたそうです。日本各地でそれぞれの地方品種が生まれ、豊能町高山地区では江戸時代に既に栽培されていたと言われています。高山地区は北摂山系に囲まれ標高450mに位置するため涼しい場所であり、真菜の収穫期にも害虫が発生せず無農薬で育てることができます。
歴史ある野菜で無農薬で安心して食べられる野菜であるのに、なぜ門外不出なのか。真菜は大変精の強い野菜で収穫後にも自らを伸ばし、形が悪くなるなど流通には不向きであり、大変傷みやすい野菜でもあります。それから、真菜の苗を異なる地域に植えても、同じようには育ちません。隠したくて門外不出ではなく、外には出せない理由があるのです。収穫期は3月半ばから4月のほんのわずか。真菜漬けとして一年中食べられる真菜ですが、フレッシュな真菜に出会えるのはまさに春先の今だけ。
また、真菜にはカロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄分などの栄養素が豊富に含まれています。知れば知るほど真菜ってすごい!
同じアブラナ科の菜の花と比べてみました

能勢の道の駅 くりの郷で菜の花を買ってきました。
さて、ここで同じアブラナ科でぱっと見はよく似ている菜の花を購入し比べてみました。この写真の真菜は収穫期前のため、あと数週間後には大きく成長するのですが、この時点ではよく似ていますね。次に葉をよく見てみましょう。

こちらは菜の花

こちらは高山真菜
菜の花はやや丸い形の葉でシワがありますが、高山真菜はやや尖った形の葉で菜の花のようなシワはありません。
いざ実食!今年の初物いただきます。

初物の真菜はシンプルに頂きました。
当日の夕方16時に収穫した取れたて新鮮な真菜を夕飯に頂きました。まずはシンプルに1分だけ茹でた真菜に塩をつけて食べました。茎がほんのり甘い!たった1分しか茹でていないのに適度に柔らかい茎がとっても美味しい。塩がその美味しさをさらに引き立たせます。
菜の花をはじめとする春の味覚は、苦味にデトックス作用もあるのですが、新鮮な初々しい真菜は本当に食べやすく感じました。お裾分け頂いたご家庭のお子さんもこのシンプル調理の真菜がお気にいりだそうです。小さな頃から旬の味に触れているなんて素敵!
平成最後の真菜祭りは2019年3/30(土),31(日)の2日間!

昨年の真菜祭りの様子です
真菜の収穫体験ができる真菜祭りが今年も開催されます。右近の郷から棚田まで歩いて各自で収穫します。都会から来られる方には美しい棚田の景色にびっくりするかも!?
真菜を摘む際には「とう(花茎)」部分を中心に上から10~15cmくらいの所で「ポキッ」と折るようにします。脇目が伸びるので、根っこから引き抜くのはNG。また、真菜摘みに夢中になって、可愛い真菜達を踏まないように気を付けてくださいね。摘み方がよくわからない方は、ベテラン農家のおじちゃんに気軽に聞いてみてください。優しいおじちゃん達が教えてくれますよ。
真菜祭りでは真菜をたくさんの方に知って頂くために、自分で収穫した真菜は1kg300円という大盤振る舞い!皆さん支給される大きな袋にたくさんの真菜を摘んで笑顔で帰られます。でも、お得だからと忘れないで、真菜は傷みやすい野菜です。ご自宅や、お裾分けしても早めに食べきれる量を摘んでくださいね。皆さんに美味しく食べてもらえるのが、豊能町に住む私達にとっても一番嬉しいです。
右近の郷 2019年真菜祭り
申し込み不要、開催時間内に自由にお越しください。
右近の郷グラウンドでは、野菜の直売、真菜まんじゅう、真菜漬け、山菜おこわなどの販売もあります。
日時:3/30(土)・3/31(日)午前10時~午後3時(雨天決行)
場所:右近の郷(高山コミュニティセンター)
※右近の郷で受付後、真菜畑に移動
費用:真菜1kgあたり300円
問い合わせ:右近の郷
豊能町高山10番地
電話072-741-1959 FAX072-741-2987
E-mail o-toyono@tokyodome-sports.co.jp
今回、高山真菜の記事を作成するにあたり、高山真菜を愛してやまない高山在住の友人Yちゃんに、貴重な今年の初物の真菜、資料や新聞記事の切抜きなどを提供頂きました。

手書きのメッセージに真菜への愛が溢れています。
ご協力頂きましたYちゃんをはじめ、ご家族の皆様に厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
1 コメント
[…] 前回の記事 で紹介した茹でて塩だけで食べる真菜も真菜本来の甘さが分かりとっても美味しかったのですが、新玉ねぎと真菜で春気分を味わうサラダはいかがでしょうか? […]